ドロップシッピングとは小売りの一形態であり、ネット上の自分のショップから商品を売るものの在庫を抱える必要はなく、在庫管理や発送はすべてメーカー側が行ってくれるというもの。
アフィリエイトに似たイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、アフィリエイトはあくまで「商品を紹介して売れたら報酬が発生」というスタンスなのに対し、ドロップシッピングは「在庫管理や発送などといった面倒を省いた小売り」という位置づけになります。
在庫を抱える必要がないものの仕入れ価格などが存在し商品の価格設定を自分で行えるという大きなメリットがあり、2008年前後には「月100万円超え続出」などの報道もあり注目されました。
しかしその割にはドロップシッピングが盛り上がっている様子は垣間見えず、ネットで気軽にお小遣いを稼ぐ、ガッツリ利益を上げるコンテンツの主役はいまだアフィリエイトとなっています。
一時は注目されたドロップシッピングは実際に儲かるのでしょうか?
ドロップシッピングのメリットとは
そもそもドロップシッピングのメリットはなんなのか?
それは…
- ■ネットショップでありながら在庫を抱える必要がない
- ■商品の発送もメーカーがおこなってくれる
- ■価格を自分で設定できる
もしもドロップシッピングを例に取るなら、約40万点という商品から自分のショップに合った商品を選び販売していくという方法になり、小売業としては在庫を抱える必要がなく発送の手間や送料うんぬんといったわずらわしさがないのは非常に魅力的といえます。
また卸値(仕入れ価格)と最低販売価格が決まっていて、そこから希望小売価格の2倍、推奨売価の3倍の範囲内で値付けが可能となっており、最低販売価格で売っても、他ショップより若干高めながらポイント付与によってお得感を出すなど自分のショップに合った価格設定ができるのも魅力です。
基本的に商品の問い合わせや返品に関してもドロップシッピングを行っている会社やメーカーが代行してくれるので、小売りの手間やリスクを最小限にしつつショップ展開できるのが最大のメリットとなります。
ドロップシッピングのデメリット
一方、ドロップシッピングの最大のデメリットは「価格が高い」に尽きます。
説明よりまずは象徴的な以下の2つの画像を見てもらいましょう。
…どうでしょう?
これは同じ日のスクリーンショットであり、時間差でも5分程度と誤差の範囲内なので、ほぼ完全なる同時刻の価格設定と思っていただいて構いません。
ドロップシッピングを活用すると仕入れ値が30,557円である一方、価格.comでは最安23,240円で販売されており、利益0円で売ったとしても7,317円高くなる計算になります。
ちなみにこの日に価格.comで調べた同商品の値段でドロップシッピングの仕入れ値である30,557円を上回る価格で販売していたショップは48位以下で、大手の販売店が取り扱う商品は総じてドロップシッピングでの仕入れ値を大きく下回る価格で販売されています。
これでは、ネットでの買い物に疎く価格の比較をするという知識がない人が、たまたま自分のサイトを最初に見つけそこで即決してくれない限り売ることは難しいと言わざるを得ないでしょう。
また、大手が取り扱わない商品でも多くのドロップシッターが最低販売価格で出品しており、力のあるサイトを作成しポイント付与などの付加価値を与えないと競争を勝ち抜くのは難しいかもしれません。
ドロップシッピングはやる価値がない?
報酬が高く効率の良いアフィリエイト商品であれば販売価格と報酬が同じくらいの場合も多々あり1件売って数千円なんてザラですが、ドロップシッピングは基本的に小売りであるためあくまでも「販売価格−仕入れ値=利益」になり1件あたりの利益は小さくなる傾向にあります。
もっとも高率のアフィリエイトは競争が激しく1件売るのも大変なので、急速に注目が薄れてきているドロップシッピングは穴場と言えなくもありません。
ただし上でも触れたように大手が扱う商品は価格面で太刀打ちできないので、商品の選定や売り方にはそれなりの工夫やコツが必要になるでしょう。
個人的にはドロップシッピング一本でやるのは厳しいと感じており、アフィリエイトサイトを育てながら、そのサイトに合ったドロップシッピングの商品も同時に売っていくのが効率的と考えます。
最大手のもしもドロップシッピングでは登録すれば同じアカウントで他のASPとは毛色の異なる商品が多い「もしもアフィリエイト」も利用可能なので、販路や商品の幅を広げるという意味ではもしもに登録して商品を物色するのは有効と考えられます。