つい数ヶ月前までSEO(サーチエンジン最適化)といえば長文+追記が常識でした。そのため人気ジャンルの検索上位ともなると1万文字を超えページが占めている状況が当たり前。2万3万文字なんてケースも見受けられました。
しかし、2018年末から2019年初頭に行われたグーグルアルゴリズムのアップデートによりその状況が大きく変わってきた印象を受けます。そう、検索上位から長文ページがかなり減っているのです。
グーグルに何が起きているのか?多大な時間をかけて作り上げた長文ページはもはや役に立たないのか?
気になる点を検証していきたいと思います。
長文ページは検索上位から本当に消えたのか?
そもそも本当に検索結果から長文ページは消えたのか?長きにわたって文字数が多いページが猛威を振るっていたことから「にわかには信じがたい」と感じている人もいらっしゃるのではないでしょうか?
長文ページが多いジャンルの多くはアフィリエイト激戦区です。
これまでは1ページに情報やキーワードを詰め込めるだけ詰め込むことがSEOの正義であったため、ライバルが多いアフィリエイト激戦区は文字数勝負になる傾向がありました。ライバルサイトより多くの文字を詰め込むことで検索上位を狙う作戦ですね。
その典型ともいえるジャンルのひとつが“育毛ジャンル”です。育毛剤や育毛サプリメントなどのアフィリエイト報酬は非常に高いため、多くのアフィリエイターがしのぎを削っており、私自身もそこを主戦場としていました。
そんなアフィリエイト報酬が高い育毛剤の中でも特に高価なのがチャップアップという育毛剤。そのためこの商品を紹介するページの上位は1万文字などかわいいもので、2~3万文字というページも散見されました。そういったページがチャップアップというビッグワードでの検索上位を独占していたのです。
しかし…今現在グーグルで「チャップアップ」を検索すると、上位はショッピング系のサイトばかり。たまに混じっている個人の育毛サイトにおいても異常なほどの長文ページは軒並み圏外に吹っ飛ばされており、ほどほどの文字数に収まっているサイトばかり。
中には1000~2000文字程度の「なんでこんなサイトが?」と首をかしげたくなるページが比較手上位に入っていたり…もはや商品を詳しく説明してもグーグルは評価してくれないことが見て取れます。
ロングテールも微妙な展開
ビッグワードにおいて通販サイトや病院など大手や権威性のあるサイトが上位に表示されるようになってきたのは誰もが知るところではないでしょうか。
しかし、キーワードを2、3個組み合わせたロングテールでの検索なら依然として長文の個人サイトも頑張っている…と思いきや、その顔触れは1年前と比べずいぶん変わってきている印象を受けました。
例えば「チャップアップ 効果」と検索すると、以前はやはり文字数を詰め込んだ個人サイトがズラッと並んでいました。上位サイトのお馴染みの顔ぶれが並んでいる状況。
しかし現在このキーワードで検索すると、ビッグワードに比べ個人サイトが多くなるものの、以前ほど長文にこだわってはいないようで、1万文字に満たないサイトも散見されます。
また、かつて長文サイトでブイブイいわしていたサイトの姿がめっきり減っています。文字数を詰め込んだサイトは下に追いやられたということなのでしょう。
ビッグワードでもロングテールでも長文ページが減っているのは紛れもない事実と言っても過言ではないのです。
長文ページが今後脚光を浴びる可能性は?
かつては猛威を振るった長文ページ。現在でこそ端に追いやられつつありますが、今後のアルゴリズムのアップデートにより再び日の目を見ることはあるのでしょうか?
これは私なりの推測と前置きしたうえで、長文ページが再び返り咲く可能性は低いと考えます。
経験上、ずっと日の目を見なかったページがアップデートにより一気に検索順位が上がるというケースは何度も目にしています。
しかし、突発的かつ短期的なものを除きアルゴリズムのアップデートにより一度大きく順位を下げたページが再び上位に戻ってくることはほとんどないと感じています。もちろん多少の上下はありますけどね。
例えばこれまで3位だったページがアップデートにより80位に落ちたとする。これが50~60位くらいに上がることはままあれど、再び1ページ目に返り咲くことはほとんどないということ。記事を大幅に修正しグーグルの好みに仕上げればまた話は別ですが。
あくまでも推測になりますが、グーグル側もこれまでの「無駄に長文+追記をやっておけば上位を狙える」というSEOを把握していて、無駄な情報の詰め込みはユーザビリティを損ねると判断したのではないでしょうか。実際文字数を稼ぐために脱線しまくっているサイトをよく見ますしね。
長文ページがもてはやされる時代は終わった。そう感じずにはいられません。
今後の主流は「過不足ないページ」
では今後はどういったページを作っていけば検索上位を狙えるのか?
長文の神通力が弱まった以上、これからはユーザーが求める情報を過不足なく伝えることができるサイトやページが上位に表示されやすくなるでしょう。
ただ、この「過不足ないページ」て非常に難しいですよね。長文ページであれば思考を停止して関連する情報を詰め込むだけでよかったのに対し、「過不足ない」というと情報の取捨選択が必要になってきます。
何を取り上げ、何を捨てるのか。ユーザーが求めている情報の最大公約数を理解しつつ無駄な情報はあまり入れない。とはいえある程度の誘導や脱線がないとアフィリエイトが成り立ちづらいというジレンマも。
つまり、これまで以上にページ構成などをしっかりと考える必要が出てきたということになるでしょうか。…めんどくさい…
これまで上位表示されていた長文ページが2019年になって圏外に飛ばされたという人は、無駄な情報を削除しシンプルにまとめたほうがいいと考えます。
文字数神話は終わりE-A-T偏重がより鮮明に
ただし、どんなに的確な情報をユーザーに提供しても必ずしも上位表示できるわけではないのが今の検索アルゴリズムの怖いところ。
特に医療や専門性が必要になる分野の場合は「E-A-T(専門性・権威性・信頼性)」が重要になるとされます。アフィリエイト目的に素人が書いた記事より医師や専門家が書いた記事が上位表示されるというアレですね。
事実、私が運営する育毛関連サイトでも検索順位の下落が止まらないという事態に。論文などを引用し科学的根拠を提示してながら丁寧に説明したページを作成しても、クリニックや病院の短文かつ雑な説明に勝てない状況。
こういった点を考慮しても長文はもはやSEOには大して寄与しないんだなと感じます。
はっきり言ってしまえば、今のグーグルの検索アルゴリズムは内容など精査せずに病院や専門家、大手サイトの記事を上位に持ってきているだけ。そこに高度な内容分析機能は存在しません。
悲しいことですが、我々アフィリエイターが科学的根拠や出典などを提示し腰を据えて正しい記事を書いたとしても、病院や大手通販サイトに載っている大雑把かつ短文の説明に勝てないのです。
長文ページが意味をなさなくなってきた今、私たちが今後向かうべき方向は適当な文字数での記事の乱発…つまりかつての「数打ちゃ当たる」的なサイト運営になってくるのかもしれません。
だって、私たちが色々と調べたうえでどんなに丁寧に説明してもカスみたいな短文ページのほう
が上位に表示されたりするのですから。ならば5000文字以下のページを量産したほうが良いと考えても不思議はありませんよね。
とりあえず長文はもう古い。それだけは疑いようがない事実です。1ページ作成するにも多量の時間を必要とする長文ページを作るくらいなら、適度な文字数のページを3つ作ったほうがいい時代に突入していると感じています。
もちろん少ない文字数の中で簡潔にまとめるだけの技術が求められているのも確か。今後は情報の取捨選択を行い訪問してくるユーザーに対し簡潔に説明できるサイトやページを目指すようにしましょう。